おぜクリ通信
母
飯田 美奈子
佐渡で一人暮らしをしている母から今日もクール便で荷物が届いた。
私はいい年をしていまだに母に頼ってばかりいて、母が料理好きなのをいいことに、あれが食べたい、これが食べたいなどと言いたいことを言い、美容師として日々忙しく働いている母にお惣菜を作らせている親不孝者なのである。
こんな私を「だちかんわ~(佐渡弁で、らちがあかないとか、ダメという意)」とたしなめつつ、それでもせっせと手作りのお惣菜を送ってくれる母。
世の中色々なことがあるけれど、母の愛に勝るものはないとしみじみ思う。
今年の冬は例年より雪が多く、新潟の中でも比較的雪が少ない佐渡でも連日雪が降っているらしい。
遠い上、また悪天候だと船も欠航になるのでなかなか帰省できず、母は隣近所の人に助けてもらいながら、連日雪掻きをしているようだ。
以前は田舎の人間関係の濃密さが自分にはわずらわしく感じることも多かったのだが、母が一人になってしまった今、本当にありがたいなと感謝の気持ちでいっぱいになる。
そして私も母にしてあげられない分、母にするのと同じ気持ちで、周りの人たちにお返しできたらと思っている。