おぜクリ通信
空と大地
関根 由美子
私の実家には2匹の犬がいます。
出会いは、7年前になります。1匹目は、妹が欲しいと言ったのがきっかけで実家にきました。名前は「空」。マルチーズです。名前の由来は、空と出会った日が青空で、妹が「空青いな~」と思ったことから名前が付けられたようです。2匹目は、「だいち」。チワワです。名前の由来は、私の姉妹は3人で女ばかり。父は男の子が生まれたらつけようと思った名前だそうです。
空のほうが半年ほど先輩でお兄さんです。空は半年間、一人っ子状態で私の母にたくさん甘えていましたが、そんな空にも突然兄弟が出来たのです。だいちが家に来た時、すごく警戒しているのがよくわかりました。家の中をぐるぐる駆け回ったり、と思ったらジーっとだいちを見て動かなかったり・・・。だいちは空に興味津津でそばに近寄りますが、逃げ回る空。こんな状態が2カ月くらい続きましたが、いつの間にかだいちが傍によっても逃げることなく、だいちは空の後ろをついて回るようになりました。
またお互いやきもちをよく焼きます。だいちが私の母の傍で寄り添っていると。空は母の足元に行き、吠えたり、自分も傍に行くと言わんばかりにだいちを威嚇したり。だいちもまた同様。お互い意識し合っている感じです。この光景がほんとうにかわいく見えます。父も母と同じように2匹を可愛がっているのですが、やはり母の方に行く2匹なのです。だから、母が椅子に腰かけると、我さきにと歩み寄る2匹。負けた方はしぶしぶ父の方に。こんな光景がよくみられるのです。
そんなある日、だいちが病気にかかり、入院することになりました。
空はいつもいるだいちがいないことに気づき、察知し、いつもと雰囲気が違うことが分かるようで、部屋をぐるぐる回ってみたり、だいちがいつもいる場所をのぞいてみたり、と明らかにいつもと違う状態に気持ちがついていけないようで不安定な様子でした。
それが、だいちが帰ってくるまで続いていました。
そして、だいちが帰ってくると空からだいちに歩みより、本当にうれしそうに吠えて喜んだり、2匹で部屋を駆けまわったりと本当の兄弟のように思えました。犬もしっかりとわかるのですね。やはりいつもいるのが空にもだいちにももう当たり前になっているのですね。
今もこの2匹は元気に実家にいます。時々実家に行く私を、2匹は歓迎してくれ、本当に2匹には癒されます。これからもよろしくね。