おぜクリ通信

風邪を引いたと思ったら

小関雅義

一生のうちに、一度も風邪を引いたことが無いと言う人はいないほど、風邪は、一般的な病気ですが、この病気ほど様々な治療があるという病気も少ないと思います。多くは自然に治ってしまうために、今までは本格的な医学研究や大規模臨床試験などがおこなわれてこなかったという面もありますが、風邪という病気には、さまざまな医学的側面があり、対応がそれぞれ異なってしまうことも、影響していると思います。

今回は、風邪の医学的側面をいくつか、ご紹介してみようと思います。風邪とは、ほとんどの場合、自然に治るウィルス感染性疾患で、咳 鼻水 咽頭痛といった多彩な症状を呈する疾患群であると定義されています。これ以外の頭痛や下痢や腹痛などを風邪の症状に含めて、お腹の風邪や頭の風邪などという言い方もありますが、今回は割愛します。

風邪の典型的な例は、最初は軽度の咽頭痛(喉の痛み)だったが、次第に鼻水や咳が出て、37度台の微熱を伴い、全身倦怠感などが生じるという例です。咽頭痛や鼻水、咳などが同程度に出ていれば、ほぼ風邪としてかまいません。3つの症状がひどくなければ、医者などのかからず、体の保温、十分な栄養と休息、睡眠などで、ほとんどの場合改善します。 医療費の高い米国などでは、このような風邪の症状で、医師にかかることはほとんど出来ません。保険会社の許可が出ないからです。それはともかく、このような風邪の場合、医師にかかる理由はどのような理由からなのでしょうか?ひとつは、症状がひどくなったので、何とかして欲しいという理由が挙げられると思います。ご存じのように、風邪を起こすウィルスはものすごく多くあるため、根治療法がありません。薬に出来ることは、症状を和らげることだけです。あくまでも対処療法なので、栄養や睡眠など基本的なところは変わりません。

医師にかかるもう一つの理由は、風邪かどうか診断してもらうことです。風邪は、万病のもとというように、風那だと思っていたら、違っていたと言うことは、意外に多いのです。しかし、医師にかかれば風邪かどうかすぐわかると言うわけではありません。風邪の症状の中には、重大な疾患が隠れていることがあり、それを見落とさない様にするためには、十分な患者さんからの惰報と豊富な経験が必要だからです。さらに、重要なのは、病気の経過です。先ほど述べたように、自然に治る疾患ですが、あまりにも長い経過をたどったり、短い経過で急に発熱したりしていると肺炎やインフルエンザなども考えて診察する必要があるからです。
したがって、医師にかかるときは、いつから、どんな症状が、どのようになっていったかを診察時に、詳しくお教えいただくことが、見落としを防ぐ第1歩です。

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