おぜクリ通信
ツボのお話し
輿水 靖近
皆様こんにちは、鍼灸師の輿水(こしみず)です。今回はツボについてのお話しですが、「ツボ」とは「経穴(けいけつ)」「奇穴(きけつ)」「阿是穴(あぜけつ)」などと呼ばれ、「疾病の際の反応点であり、診断点であり、治療点である」とされています。
「経穴」とは全身に人体の生命活動を司ると言われる、気血榮衛(きけつえいえ)を運行する数十種の通路の「経脈(けいみゃく)」に属しているものであり、全身の状態を考え治療する際に使用し、「奇穴」「阿是穴」とは施術店として治療効果が認められ、その存在が定説化したもので、特に阿是穴は体を指圧やマッサージした時に「そこそこ」と感じる場所にあたります。これは皆さんも体験したことがあるのではないでしょうか?
また、ツボというのは探し方が沢山あり「押す、なでる、さする、ごく軽く触れる」方法がありますが、皆様にお勧めするのは「押す」方法です。手の甲や足首周りを押してみるとここだと感じられるところがあると思います。
少しかたい話しになりましたので、ツボにかかわる有名なお話を・・・
「足三里」(膝下外側の凹みから指四本分下)という有名なツボについて
この足三里というツボについて松尾芭蕉の奥の細道に「もゝ引きの破をつゞり、笠の緒付けかえて、三里に灸すゆるより、松島の月先心にかゝりて」という一文が出てきます。
このことから松尾芭蕉が足三里にお灸をすえていたのがわかります。これはおそらく徒歩での旅における足の疲労回復、また消化器に影響を与えるツボであるため旅先での食あたり、水あたりの予防にも効果があったことと思われます。
もう一つ、原 志免太郎博士のお話を
原博士は100歳を過ぎても現役の医師をして108までの長寿のまっとうされた方で、1991年当時男性長寿日本一になった先生であり、大変お灸を研究された先生で日本初のお灸博士でもあります。
その原博士が実線されていたのが足三里のお灸で毎日7壮をすえていたということです。
上記二つの話には有用な共通点がありまして、病気にならないようにお灸をするという方法で養生灸ともいいます。
高齢社会になった今、ウォーキング、体操、サプリメントなど健康志向に興味がある方が増えていると思いますが、元気に長生きを目指して足三里のツボを試してみてはいかがでしょうか。