おぜクリ通信
禁断の食べ物
飯田美奈子
世間で「食育」という言葉が流行りだしたのは、「食育基本法」が施行された2005年頃かと思われますが、私が中学生だった頃でも厳しい目の家庭科の女性教師に
「インスタント物など保存料が入っているもの、赤色何号、などの合成着色料が使用されているもの、スナック菓子などを食べ続けていると、あなた方は40歳まで生きられませんよ」、などと恐ろしいことを言われた記憶があります。
長生きできませんよと言われましても、すでにそんなヤバイものがテンコ盛りに入っている食品を食べて育ってきた世代です。
ときおり、ふと「やっぱり身体に良いもの食べなきゃね」などと思うこともあったのですが、身体に良いものばかり食べているとなぜかイライラし(笑)、ジャンキーなものがないと気持ちが萎えてしまってダメです。
タバコをやめるのはそう難しいことではなかったのですが、上記のような食品を自分の人生から絶つなどということは、もはや考えられません。
コンビニエンスストアでは季節ごとに新商品が並び、テレビCMでは一日中美味しそうなお菓子が・・・。これに打ち勝つには鉄の意志が必要ですが、残念ながら私の意志はフニャフニャなので、夫がいない休日などは一日毒々しいものを食べて過ごす始末。
「夫よ、ありがとう!!」と、普段は沸いてこない夫への感謝の気持ちもこみ上げてきますし、毒は避けるより摂取してそれをも消化できる機能を鍛えるべし、をモットーにこれまで生きてきました。
しかし最近、そんな私のいい加減な食生活を見直すべき時がきたようで、油っぼいものを食べると胸やけする、おなかがゆるくなるなどの症状がでる時が増えてきました。
長年の不摂生が祟ったのか、加齢により消化機能が落ちているのか分かりませんが、今まで通りではダメですよと身体が訴えてきます。
悲しくはありますが、我が家の16歳になる老猫と「健康で長生きしようね」と励ましあいながら、粗食を心掛ける今日この頃です。